シリコンバレー化する深セン【中国深セン】
11月下旬に香港で開催されたインターネット技術関連のカンファレンスに参加して、そこから北方へイミグレを超えて2-3時間程あれば場所にある経済発展の著しい中国深センに立ち寄りました。学生時代の友人が日系企業の駐在員として現地で働いていることもあり、数年前にも買い物に来たことがあります。来るたびに景観が変わりその発展には驚くものがあるのですが、以前の訪問時は工場の多い薄暗い地域といった印象で治安も良くなかったと思います。最近、時々評判を見聞きしていたので久しぶりの再訪です。連泊するほど長時間滞在したのははじめてになります。
深センは中国広東省中南部のに位置する都市でその広さはほぼ東京都ぐらい。香港と隣接している経済特区であり、上海市、北京市、広州市に次いで、中国大陸第4位の都市。世界中のエンジニアを魅了すると同時にハードウェア関連スタートアップ企業も増加しており「中国のシリコンバレー」と表現されることもあります。一概に「深セン」といっても、その範囲は広く訪問場所によってその印象は異なりますが、中国特有のトップダウンによる影響なのか、その地域の特色は案外シンプルで分かりやすい。ただそれでも個人で地下鉄と徒歩で目的地を探して訪問するのは予想以上に時間がかかりました。
テクロノジー系の有名企業が集まる「高新園(HI-TECH PARK)」駅付近。その隣は深セン大学をはじめ技術系の大学の研究施設が多く集まる「深大(SHENZHEN UNIVERSITY)」駅で産学連携はもちろん、エンジニアを大量生産しているかのうような印象を受ける。駅出口付近にはスマートフォンで登録してシェア利用できる自転車が駐輪されていて、多くの人々が普通に利用していました。
深セン各地に点在するメーカースペースあるいはスタートアップ珈琲。深センに急増しており100を超えるという噂もありましたが、メーカスペースと言っても内容は様々。世界各国から深センに移住した外国人と会うことも多かった。都心部のメーカスペースは小規模のものが多く、郊外に行けば規模が大きく設備も充実しているとのこと。様々なコミュニティが生まれ活発に活動しており、海外から見学に来た人も時々見かけたものの、一般の人々にはあまり知られていない。
友人に日本でいう「秋葉原」のような場所を尋ねて、2つ返事で返ってきた有名な電脳街「華強北(hua qiang bei)」。今は無きラジオ会館をパワーアップしたような電脳デパートが乱立していて、どこで何を買って良いのか結局分からず現地を後に。歩道なのか工事現場なのか分からないような場所を歩き、アクシデントで膝を痛めてスケジュール変更を余儀なくされる。こちらも都市開発が著しく次回訪問時は違った様相になっているに違いありません。
最後に気になっていることが2つ。
1つは深センに駐在している学生時代の友人は、日本に帰国したいと話していたこと。界隈では最もお洒落な地域の日本料理屋に行ったときに、土地や家賃から食費に至るまで物価上昇が激しいこと、日本と中国との関係が悪化していると感じること、汚染や衛生面での問題について話しました。個人的には今後中国深センを中心としたテクノロジーの発展や影響は強まると思ってやまないのですが、生活視点など向き合う問題や考慮すべき問題は小さくないのかも知れません。
深セン市大気汚染:リアルタイムPM2.5大気質指標- AQICN.Org
もう1つは中国深センのようなテクノロジー分野で発展する多くの企業が集まる地域が出現したときにどうビジネス展開すべきなのだろうということ。競合意識が強い訳ではないのですが、日本にも世界の中での立ち位置を考えて方針を示す強力なリーダーが居てくれると心強いですね。きっと様々なご意見があると思いますが、続きは飲み屋や喫茶店で … 。