衝撃的なデビューを飾った暗号通貨 ZCASH について
衝撃的な暴騰を見せた10月28日の Zcash ローンチから約1週間。新しい暗号通貨のローンチに関しては、プロモーションを兼ねて事前に有利な条件で広く資金を募るICO (Initial Coin Offering) をするケースが多いですが、Zcash の場合はICOは行わなかったため、一般の人が入手したい場合、直接あるいは間接的にマイニング(採掘)に関わる、あるいは事前に取扱い表明した幾つかの交換所で売買開始を待つ必要がありました。そのため、ローンチ直後は僅かな Zcash に購入者が集中してしまい、一時的に1ZEC = 3000 BTC(約2.4億円)を超える信じられない価格に暴騰する結果となりました。その後は暴落して、Zcash の流通量の増加にしたがって Zcash 価格は徐々に下がっていますが、マイナー(採掘者)優位な状況はもうしばらく続きそうです。
9月下旬に開催された ethereum devcon2 でも告知されていたスケジュール通り、Zcash ローンチは米国サンフランシシコの日時で10月28日の朝方に実施されました。その様子は Youtube で生中継されて、ローンチ後はカメラの前で一部のメンバーで食事する姿も写るなど、その雰囲気は暗号通貨によくある特有の自由なものを感じさせました。僅かな Zcash に購入者が殺到したローンチ直後とは対照的に、その開発や運営は比較的安定して見えますが、しばらく安全とは言えない状態にある様子。
Zcash とは?
元々 Bitcoin の欠点を補うために推進されていた Zerocoin プロジェクト が存在し、そこで利用されている Zerocash プロトコルに改善を加えて現在の Zcash が実現されています。コンピータセキュリティの専門家である創設者 Zooko Wilcox 氏を中心に、著名なセキュリティ専門家および米国をはじめ世界各国の大学の暗号学者、Zerocoin プロジェクトの研究者らが参加して Zcash チームが構成されて、非営利団体 Zcash Foundation へと発展しています。
以前、米国政府の報収集活動に関わっていたエドワード・スノーデン氏が個人情報保護の視点から暗号通貨 Zcash に触れたことがあり、それが多くの人が注目を集めるキッカケにもなりました。
Zcash の概要
Zcash は分散化(decentralized)されたオープンソースな暗号通貨であり、取引においてビットコインより高い匿名性を確保できることが特徴になります。公式サイトには、ビットコインを http に例えるなら Zcash は https にあたると表現されています。
- 取引する人のプライバシー情報を公開することなく、ゼロ知識証明(zero-knowledge proofs)と呼ばれる技術を用いて、取引における匿名性および信頼性を確保する。
- 支払い等の取引はパブリックなブロックチェーン上で行われますが、送信者、受信者、および量についてのプライバシーを守ることができる。
- プライバシー保護できることに加えて、ビットコインのような取引の追跡はできないとされます。
アルトコイン名 | 記号 | 開始時期 | ハッシュ アルゴリズム |
プルーフ タイプ |
ブロック タイム |
マーケット情報 |
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Zcash | ZEC | 2016年 10月28日 launch |
Equihash | PoW | 2.5 分 | CoinmarketCap CoinGecko CryptoCompare |